ステロイドの減量(減薬)と再発(再燃)
ほとんどの特発性器質化肺炎の場合、ステロイド薬(プレドニン錠:プレドニゾロン錠)が良く効くので治療に用いられます。私たち人体の副腎皮質からはステロイドホルモンがPSL換算で2.5~5mg程度が生理的に分泌されています。それ以上の量のステロイドホルモンをプレドニン錠やプレドニゾロン錠により長期に服用した場合、副腎皮質からのステロイドホルモンが分泌されなくなります。そのため、急にステロイド薬を飲まなくなると体の中のステロイドホルモンが不足し危険なショック状態や倦怠感・吐き気・頭痛・血圧低下などの症状が見られることあるのです。またステロイド薬の減量や中止により器質化肺炎が再発再燃することがあります。一般的に特発性器質化肺炎はステロイド薬が良く効くことから予後良好とされています。
ステロイド剤の主な副作用としては次のようなものがあります。これらの副作用は個人差があり疾患の程度、薬の量、服用期間などにより表れる症状は様々です。
このようにステロイド剤の服用には様々な副作用が起こり得るため、誰しも早く服用を止めたいと思うものです。しかし、早くやめようとして薬の漸減を速めると特発性器質化肺炎が再発再燃することがあるのです。私の場合も医師の指導に従いステロイド剤を漸減していったのですが、なんと4回も再発しました。副作用を恐れて早く止めたいという気持ちから、今までの漸減が速すぎたために起きたことと反省しました。そして4回目の再発以降は漸減速度を緩めました。
5回目のステロイド減量は2017年3月16日の10mgから始まりました。その後は症状の改善が見られなかったので一旦20mgに増量し、それから少しずつ漸減しました。2019年4月22日現在の767日間で2mgまで減らしています。この段階で再発していないので、この超スローペースのステロイド減量が良かったのだと思っています。昔からのことわざに「急がば回れ」や「急いては事を仕損じる」などがあります。個人差はありますが、ステロイド減量もなるべく緩やかに行うのがよいと思われます。
- (黒)2015-1-17 ※[30mg,13日間]↓[20,14]↓[15,29]↓[7.5,26] 2015-4-10に再発 期間82日間
- (青)2015-4-10 [20mg,17日間]→[20,18]↓[15,28]↓[10,28]↓[5,28] 2015-8-7に再発 期間119日間
- (赤)2015-8-7 [10mg,14日間]↑[20,14]→[20,14]↓[15,28]↓[12.5,28] ↓[7.5,28]↓[2.5,28]→[2.5,28]→[2.5,42]↓[0,27]→[0,49] 2016-6-2に再発 期間300日間。医師が「20mgからスタートしましょう」と言われたが、漸減期間が長くなるので10mgからでお願いした。だがX線の肺の影の症状が改善せず、20mgに増量したら改善しそれから漸減した。
- (緑)2016-6-2 [15mg,14日間]↓[12.5,14]↓[10,14]↓[7.5,14]↓[5,21]→[5,28] →[5,63,]↓[2.5,56]↓[0,63] 2017-3-16に再発 期間288日間
- (点線)2017-3-16 [10mg,14日間]↑[20,11]→[20,14]↓[15,21]↓[12.5,21] ↓[10,28]↓[7.5,28]↓[5,28]→[5,56]→[5,56]→[5,70]↓[4,70]→[4,77] ↓[3.5,53]↓[2,98]↓[2.5,91]↓[2,~] 2019-4-22 期間767日間 現在に至る。 5回目も3回目と同様に「医師から20mgからスタートしましょう」と言われた。私は漸減期間が長くなるので10mgからでお願いした。しかしやはり症状が改善せず20mgに増量し、X線の肺の影の症状が改善したので、それから漸減した。
※[]内の最初の数字はステロイド(プレドニン)剤の量(mg)、後の数字は処方された日数。↑はステロイド剤の増量、→は同量維持、↓は減量を表す。
ステロイドの減量(減薬)経過
現在3ヶ月ごとに0.5mg減量しているが、0mgになるのは2020年4月になる見込み。
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